2002年もてぎオープン7時間耐久ロードレース

「もて耐」

#171「まだオジサンとは呼ばせない!」

参戦記 Vol.3 (完結編)

静寂の中ついに、ピットロードに栗原さんが姿を見せた。ピット内では、歓喜の雄叫びあり、感動の涙有りでざわめきが。

「やった、良くやった!」そんな声が次々と聞こえてきました。スタッフも「待ってました」とばかりに、ライダー交換に備える。
これがピットで出来る、最後の作業。あとは、チェッカーまでひたすら走るだけである。ライダーの三樹さん、ヘルメットの下には緊張の素顔があったはずであるが、栗原さんの感動のピットインにかき消され、ピットの中で感じ取れたのは……。(奥さんだけは感じてたかも)

このあとの事を、予想できた人は、いなかったはず。
誰もが、このまま感動のゴールを迎えるということを祈っていた。

しかし、ただでは終わらない……これが二つ目のドラマ!


この時、奥さんは何か感じていたのか……

ついに、三樹さんがチェッカーを目指して、ピットアウト。初めのうちは、快調その物。タイムも27秒前後と、まずまず。しかし、所々で50秒以上掛かるところもあった。これは、あとで聞くところによるとオーバーランをしていたということであった。この事を、気付いていればペースダウンの指示も出せたのだが……。ベストタイムよりも3秒落ち良いペースではあったのだが。

そして、8周目に事は起きてしまった!
2分30、40、50、3分、時間だけが次々と過ぎる。しかし、ホームストレート上にゼッケン171番のマシンは現れてこない、


見た目には、それほどでもなかったが……エンジンが

4分経っても、帰ってこない。もうピットには、絶望感が漂い。アナウンスが、「ゼッケン171番の関係者は、メディカルセンターまでお越し下さい」。やってしまった……、そう思いたくないが転倒である。

3コーナで、スリップダウンした模様、マシンも見た目は何とか走れるのではないか?カウルを、テープで修正。ステップを交換、その他、各種点検……、ライダーの三樹さんもメディカルから戻り、あとはエンジンさえかかれば。エンジンさえかかれば……
セルでは、掛かりきらずバッテリーに限界が。最終手段、押し掛けである。レギュレーション上、押し掛けが許されるのは二人まで。初めは、メカニックが二人で勢いを付けて何度か試みるが、一人が途中でマシンに乗ってしまうためか、もしくは……(考えたくもなかったが、終わっているのか)
何度も、試したが掛からない。しかもエンジンからは悲鳴が聞こえてきていた。あきらめて帰ってくる、二人を眺めながら、もう一度!もう一度!心の中で、誰しもが思っていたと思うが


ライダーを、跨らせ(諦めさせるため?)フレッシュな二人で押し掛けをすることに。勢いよくマシンを走らせ、1速にたたき込む!

掛かれ!掛かれ!掛かった?!
何と、エンジンが息を吹き返した!また直ぐに止まってしまうが、セルを回すと、そこには生き返ったマシンが甲高いエキゾーストノートを響かせていた。

何を、迷っている!GO!GO!GO!(ピットは大騒ぎ!行け!)

そのまま、三樹さんはコースに復帰!この時、時間は6時10分前を切り、ギリギリのコース復帰であった。まさに、ドラマ!
さすがに、今度は慎重な走りを続け確か3周後に無事にチェッカー!


そこには、涙も。


感動のゴール

まさに、奇跡!感動のチェッカー。WITH MEプロフェッショナルレーシング脚本、演出の素晴らしいドラマの完結である。(なんちって)

もちろん最後は、ライダー・スタッフ・キャンギャル入り乱れて、大騒ぎ!(しかし、ウチにはキャンギャル多いですね!ホント、ありがたい)

言葉では言い切れないので、あとは写真で!



こうして、今年ももてぎでの暑い夏が終わりを告げたのです。

来年は、優勝だ!


ゆりちゃんにみずほちゃん(サービスカット!)

−終わり−

Vol.2に戻る


WITH ME PROFESSIONAL RACING
http://www.withme-racing.com