WM CB1300SF PHENIX17号機
丸山浩がCBを駆り最後のテイストオブフリーランスに出場させたCB1300SF PHOENIX17号機レーサー

こちらは販売車輌ではありませんが、この車輌でレースを行ってくれる人に是非ライディングしていただきたい。
メンテナンスはWITH ME レーシングがおこないます。
支払総額 ASK
車体本体価格 --- 万円
タイプグレード名CB1300 SUPER FOUR
型式BC-SC54
全長2220mm
全幅790mm
全高1120mm
車両重量254kg
走行距離不明
総排気量1284cc
エンジン型式SC54E
燃料タンク21L
概要
連載たった2回を終えたあと、CB1300SFで8耐を走ることを最後に、丸山はCBで戦うことをやめました。
その理由を20年後のMOTOR STATION TVにて語っています。


ビック1で戦った日々を再び❷


ウイズミーCB1300SFの初レース最速ラップをマークしての2

2004年8月 記事より抜粋 連載第二回

目標達成!2位表彰台を獲得

やりました。自分としてはこの結果に充分に納得している。もちろん、優勝が最もいいのは当たり前だが、今回、7年ぶりのテイスト・オブ・フリーランス参戦で表彰台を獲得できたのは本当にうれしい。
2003年モテルのCB1300SFを雑誌のテストで試乗しているうちに、再びテイスト・オブ・フリーランス出場への血が騒き出し、今年の初めから、毎月、筑波で地道なテストを繰り返してきた。それこそドスタンタードで走っての1分06秒台(国内仕様)から、今回のファステストラップ1分01秒023まで、マシーン開発にいくら費用をかけても惜しくはないと、会社をあげての参戦計画だったし、初代ビッグ1レーサーのときから支持していただいているスポンサー各社からも応援を受けての2位表彰台獲得だった。

ターゲットは戸田隆とノジマNJ-2

国際A級ライダー参加可能は、アンリミテッドF-ZEROクラス予選。ここではいつもの課題であるクリアラップを取ることにこだわっていた。すでにテストでは01秒台に入っていたので、それこそコンマ数秒を切り刻むために、1台でもパスするためのライン変更は許されない。そうはいっても、このF-ZEROクラスの予選はたった10分間、しかも短い筑波のコースに32台がひしめくから、クリアラップでのタイムアタックはほとんど望めない。そうこうしていると目の前に戸田NJ-2が現れ、ふたりでクリアラップを探すうちに時間切れ。最初にタイムを出したのか、渡辺GPZ-Rと戸田NJ-2であることを電光掲示板で確認していた。そしてラストの1周…クリアラップではないものの、何とか1分01秒692をマークし予選3番手につける。
ポールポジションは新型GPZ1100のエンジンをモンスター化したパワーユニットを積むGPZ750R改/渡辺。そして2番手にノジマNJ-2(ZRX1200の大改造車、というよりヘッドからリアサスまでを一新したオリジナルフレーム車)を3年間走らせている戸田だ。戸田は、今から10年さかのぼるりテイスト・オブ・フリーランスでは、カワサキGPZ-R、ヤマハXJR、そしてスズキGSFを次々に乗り換え、常にトップクループの一角にいる。そんな彼に、唯一ホンダCB-SFで戦いを挑んできただけに、今回もターケットは戸田ということになるだろう。
決勝。スタートで勢いよく飛び出したのがその戸田。直後にポールからスタートの渡辺GPZか続くが、私は相変わらずの出遅れ。自分自身ではスタートが不得意とは思っていないが、テイストファンには、‘‘丸山はスタートが苦手”と思われているらしい。もしそうなら、今回も見事にファンを裏切らなかったことになる。

プツリと切れた集中力

3周目までに、戸田NJ-2かひとりで逃げ切り態勢を作り出すかにみえたので、逃げられてはまずいと松田GPZ1000RXをかわし、渡辺GPZとともに追撃にかかる。そして6周目、今度は渡辺が戸田を捉えてトップに浮上。そのまま渡辺は逃げ切り姿勢に入る。僕は再び戸田をターゲットに絞り、7週目の第1ヘアピンで戸田のインを指し、2位に浮上した。
もちろん戸田を眼前から消し去ったとなれば、眼の前の敵は渡辺のみ。しかしどうしても、戸田が頭の中から消えない。”絶対にどこかで来る! 裏ストレートエンドか…?
裏ストレートに出てから、ふと後ろを振り返ると、その戸田がいない!?
えっ本当か…と、一瞬心に空白ができたかと思うとプツンと集中力が切れてしまった。あとで聞いた話だが、戸田はヘルメットのシールドに蜂がたくさん張り付いて前が見えなくなってからは、戦線離脱。渡辺を追うはずの自分もターゲットの戸田を失い、そのまま2位でゴールとなった。

ビック1で戦った日々を再び❶


CB1300SFをレーサーにチューンニングし、テイスト・オブ・フリーランスに再チャレンジ

今月から連載開始、油温・油圧・水温と隔月で登場予定のこの連載はCB1300SFでテイスト・オブ・フリーランスヘの参戦を決めた丸山浩のリポートをお届けするものだ。その第1回は再挑戦を決意したいきさつと、車両製作の第1段階の報告である

2004年6月 記事より抜粋  連載第一回

テイスト最高峰クラスのF-ZERO参戦に向けてレーサーを作成中

CB1000SFを駆り、3回の屈辱と5回の優勝を飾ることで、ウィスミー・プロフェッショナル・レーシンクとしての基礎を築き上げた丸山浩。1994年から1997年にかけてのテイスト・オブ・フリーランスヘの参戦から、早いもので7年か経過した。あの当時を振り返ってみると「馬鹿デカイCBでコーナーを攻めたらカッコいいだろうな」という思いから始めたレースだったが、最後のほうはショップとしての威信をかけての戦いに変わっていたように思う。それこそ、カッコいいだけではすまされず、くやしい思いをし、それをはね返すために徹夜続きでマシーンをチューンアップし…。苦しいことも多かったか、いろいろなことも学んだチャレンジたった。2003年型として登場した新CB1300SFは、1998年登場のBIG1→CB1300SF(sc40型)よりも断然(個人的に)カッコいいと思える仕上かりだったので、このマシーンでテイスト・オフ・フリーランスに参戦することを決意。チームスタッフともどもチャレンジスピリットを胸に、筑波サーキットに乗り込むことにした。

好きなバイクで、カッコよく攻める

テイスト・オブ・フリーランスは比較的手軽に出られるレースだが、1300ccという大排気量のネイキッドで挑むのはやはり大変で、このことはCB1000SFでの参戦でもイヤというほど味わわされている。特にエンジンは、スーパースポーツ系の流れをくむものであれはもう少し楽なはずだが… 。例えは、ホンダならホーネット900の並列4気筒はCBR系だから、純正パーツの流用でも筋単にパワーを高められるし、使える回転域も10000rpm以上を想定しているため、楽に回転馬力を稼ぐことができる。さらにエンジン自体かコンパクトで、軽量といった利点も持っているのだ。では、どうしてホーネット900で出場しないのか。このモテルは生まれながらに旋回性が高いし、エンジンのレスポンスにも優れ、ちょっとチューンアップすれば、それこそCBR900RRのようにすらなる。ならはCBRをベースマシーンにすればいいではないが…。
CBRでの参戦については、2001年に”CBR929RRファルコン”で、筑波トランスエコー、ヒュージ1に参戦、優勝も果たしている。この2000年型CBR900RRがベースのレーサーでのチャレンジは、燃料噴射モデルでもチューンアップ次第で速くできるということを知ってもらうことも目的としており、そのためフルコンピュータはあえて使わず、サブコンピュータを丸山浩は4輪の大手チューニングパーツメーカーと手を組み、自社WITH MEでオリジナルのインジェクションコントローラー、ファルコン(FALCON)のみで燃料哨射の特性を変えたバージョンで参戦した。
しかし、CBRでただ勝つためのレースをするなら、次は全日本のJSBに参戦すれはいいわけで、2002年には筑波やもてぎでJSBに出場した。だが、何かが物足りない…。僕はすでに20年近くもレースを走り続けているが、速く走るという点では、レーシングマシーンのRS250に乗っていたときがの気持ちが1番で、そして面白かった。

ところがテイストは、ただ速く走るだけではなく、なによりもまずカッコよくなくてはならない。僕はそこに魅了されてしまうのだ。確かに順位も重要だが、無様なライティンクフォームで優勝してもちっとも面白くない。カッコいいフォームで豪快に攻める。だからこそマシーンはCB1300SFでなければならないのだ。

CB1300スーパーフォアでのレーサー製作

さて、CB1300SFをベースとしたレーサーの製作の難しさは、エンシンもさることながら、なんといっても車体の煮詰めにある。新しい1300は、またがってみるとスリムだし、かなりコンパクトであるようにも思えるが、レース車両としてフレームを見てみると、やはり巨体だ。ホイールベースや車高、エンジンの搭載位置などが、どうしてもひとまわり大きいのである。
これを、筑波サーキットでクルクルとよく曲がり、速く走れるようにするには、ビッグバイクならではのチューニングとセッティングが必要だ。これからの手法をふたつのテーマに沿って話を進めていきたい。

レーシングマシーンのCBをまっすぐ走らせる

CB1300SFを実際にサーキットで乗ってみたが、レースに使うには旋回性は決していいとは言えない。筑波のヘアピンで一瞬のうちに向きを変えられるようにするには、やはりリアの車高を上げていくしかない。もちろん、バンク角を確保する意味もあるが、リアを上げることでキャスターを立たせるわけだ。しかし、あまりキャスタ一角を小さくすると、フロントタイヤの直進性を保持しようとするトレールが減少しすぎてしまい、上に書いたような車体の大きさや重量の問題などから、マシーンがまっすぐ走らないようになる。これを車両の製作や改造( チューニング) セッティング、そして走り( 腕) で補っていくわけだが、まずチューニングとセッティンクに関して手をつけたのが、フォークオフセットの変更だ。キャスターが増え、トレールが減ったぶん、オフセットを小さくしてトレールを取り戻す。オーリンズの正立式フロントフォークに対応する、オフセットを改めた特製ステアリンクステムAssyの製作をNプロジェクトに依頼した。ウィズミーでは、CBR1000XXやCBR900RR、YZFR1などのスーパースポーツをネイキッド化する場合、強度や品質、見た目などいずれにも優れているNプロジェクトの製品を使用する。製作は、CB1000SFでレースをしていたころからつきあいのある、Nプロジェクト代表(日京: NAPSの代表取締役でもある)の長岩さん自らか担当してくれた。CB1000SFでオフセットを変更する際は、フロントフォーク径が同じ43mmで、各種のオフセソトを用意するRC30のキットパーツで対応していたが、今回は、オーリンズの正立式フォークに合わせて、新たにステムAssyを製作することにした。とはいえ、新たなレーサーのテビュー戦は、この号か書店に並んでから、ほぼ1カ月後となる5月29日であり、残された時間は少ない。しかし、いくつかの市販パーツを開発しながら進めていくこのCB1300SFのカスタマイズは、レースを含めて5年間は楽しめるだろうと考えている( 前作のCB1000SFでは、4年間もあれこれとやった)。CB1300SFのオーナーの皆さん、期待していてください。また、意見や感想、質問なども歓迎ですので、遠慮なくお寄せください。(丸山浩)
WM CB1300SF PHENIX17号機
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シートはウィズミーのオリジナル。シート高は高いが、ホールド性、コントール性は良好

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レース時はクランク左端のACGを外してバッテリー点火に変更。
また当時TOFを走っていたときのエンジンから、別途積み替えを行ってSTDエンジンとなっています。

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サイレンサーはチタンカーボン製でオリジナルのエアロガードが装着されている

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ステップ周りオリジナルのバックステップキットを用い。ステップ位置を後方に25mm上方に35mm移動している

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リアショックもオーリンズ製ツインに変更
筑波1秒台に耐えうるスプリングレートまで上げてきました。

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多機能メーターのデジマルを2個取り付けたハンドル周り各種の装備に対する警告機能を備えるが、レース途中で驚かないように警告開始のタイミングは限界ギリギリまで遅くしてある。

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オリジナルの削り出しキャリパーサポートを装着
ブレンボ製4ポットキャリパー

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オーリンズ製のΦ43mm