2002年もてぎオープン7時間耐久ロードレース

「もて耐」

#171「まだオジサンとは呼ばせない!」

参戦記 Vol.2

まさかまさかの、大転倒で明日の本戦出場がピンチに!第3ライダーのタイム不計測による予選不通過はともかくとして、何といってもマシンが走れる状態にない。ある程度のスペアパーツは持ってきているが、コレでは対応できそうにもないし、何といってもエンジンが……。
しかも、ライダーの栗原さんは重傷……で、左手の甲を骨折(ということは、クラッチが握れない!!!)。転倒直後の、様子を見るととても走れるような状態ではなかったのである。


真剣な二人。松井メカに野村メカ!


無惨なタンクの姿、車輌の方は、お見せできません。
コレを、見ればある程度想像が……

ここで、あきらめてはいけません。まさに、WITH MEプロフェッショナルレーシングのウデの見せ所!もちろん、予選不通過による問題は、なんとかかんとか(無理矢理)解決!2耐の第2グループに出走が決定。スターティンググリットは、かなり後ろですが、何とか出走にこぎ着けました。
マシンに関しても、メカ2人が必死の修復作業?!スペアパーツが、思わぬ所にあったことも幸いし、(Vol.1から推測してね!)こちらも準備万端です!

あとは、明日の決勝を待つのみ!後は、何も起こらなければ良いが……

《決勝》

8月24日(土曜日)7耐以外の決勝日!
昨夜から降り続いた雨も、朝には上がり、お昼にはコース状況も完全にドライ。コンディションは最高です。マシンも、昨日の転倒から整備?が終わりカウルを決勝用のカウルに化粧替え。嫌がおうにも、ライダーには緊張感が漂います。栗原さんの状態は気になりますが、後はもう自分たちの持つ力を存分に出すのみ!

頑張れ、オジサン達!?


スタート直前!キャンギャルに囲まれ和やかな雰囲気?
緊張の趣は三樹さん。スタートライダーは佐藤さん!

49番グリットからのスタート。最終コーナーがもうすぐそこ、というところからです。スタートライダーは、予選でタイムの速かった、佐藤さん。
決勝の作戦(というか、これしかなかった)は、スタートは佐藤さんで次に栗原さん、最後に三樹さん。予選で、リミッターを掛けていた佐藤さんには、これを解除!ベストが13秒台という事で、一気に上位を狙う作戦である。
次に走るのは栗原さん、直前まで走行は危ぶまれたが、意地でも走るという彼の気迫に、スタッフ全員のサポート体勢を完全にし1周だけ走ることに。クラッチは握らず、ニュートラルでエンジンを掛け、押し掛けのようにしてギヤを入れるのである。後は、栗原さんの気迫を信じるのみ!
最後の、チェッカーを受けるのは三樹さん。序盤に作ったリードを、何処まで保ちながら走れるか!

これが、今回立てた作戦。これを忠実にこなし、果たしてチェッカーを受けられるのか。戦いの幕開けである。


スタートダッシュを決める、佐藤さん。(凄いジャンプスタート!)

小さいけど、最終コーナーに向かうところ

午後4時ついに、スタート。ルマン式のスタートで、ダッシュするライダー達そして51台が一斉にスタート!見事なスタートを決める、佐藤さん。49番グリットからのスタートで、オープニングラップでは15番手までジャンプアップ。一気に34台ごぼう抜き!
その後も、順調に周回を重ね、順位を上げていく。タイムも、ベストの13秒台から何と、10秒台に突入!ピットから転倒の心配からペースダウンのサインが出るほどであった!しかし、終始安定した走りを見せ、26周目にピットインする時には、何と何と表彰台も狙える4位までアップ。ベストタイムは、非公式ながら2分10秒44を記録。一気にベストタイムを3秒も更新の快走でした!


頑張れ、栗原さん!

これは、レース終了後に分かったことだったのですが。栗原さん、実は手の甲だけでなく、大腿骨も骨折していたというのだ、しかも診察に行ってそのまま入院手術という本当に大怪我。その栗原さんの、意地の出走がこのレースの1つ目のドラマ……。


給油を終え、スタートを待つ、緊張の一時


栗原さんの帰りを待つ、スタッフ。

果たして、無事に栗原さんは、帰ってくるのか……

ピットロードの入り口を、全員が見つめる中、時間だけが過ぎていく……

と、そこに!

Vol.3に続く

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